秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
アズフィール様は緩慢に半身を起こし、首を回した。彼の首は、指で掻いた痕が薄っすらと赤く線になって残っていた。
「アズフィール様、あまり時間がないけれど、簡単に体を解すわね。そのまま後ろを向けるかしら」
「ああ、助かる」
アズフィール様はベッドサイドに立つ私に背中を向けて、胡坐で座った。私は肩から首、背中にかけて指圧マッサージで解しはじめる。
「いい気持ちだ」
「よかった」
……さっき、アズフィール様は『イザベラ姉様、やめて』と、こう叫んでいた。アズフィール様には四人の姉王女がいる。一番上の王女の名がイザベラ様だったはずだ。
「ねぇアズフィール様、たしか王宮には一番上のお姉様が残っておられるのよね」
私は極力のさりげなさを装って、話題を振る。
「あぁ」
「お姉様とは仲がいいの?」
「別に普通だが……なぜ、そんなことを?」
「いえ。私にはきょうだいがいないから、どんなふうなのかしらって」
アズフィール様は少し考えるようにして口を開いた。
「アズフィール様、あまり時間がないけれど、簡単に体を解すわね。そのまま後ろを向けるかしら」
「ああ、助かる」
アズフィール様はベッドサイドに立つ私に背中を向けて、胡坐で座った。私は肩から首、背中にかけて指圧マッサージで解しはじめる。
「いい気持ちだ」
「よかった」
……さっき、アズフィール様は『イザベラ姉様、やめて』と、こう叫んでいた。アズフィール様には四人の姉王女がいる。一番上の王女の名がイザベラ様だったはずだ。
「ねぇアズフィール様、たしか王宮には一番上のお姉様が残っておられるのよね」
私は極力のさりげなさを装って、話題を振る。
「あぁ」
「お姉様とは仲がいいの?」
「別に普通だが……なぜ、そんなことを?」
「いえ。私にはきょうだいがいないから、どんなふうなのかしらって」
アズフィール様は少し考えるようにして口を開いた。