秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官（※その実態はお妃候補）に任命されました！

「ふむ。幼い頃は遊んでもらったこともあったが、姉が成人を迎えて以降は王家の行事を除けば、正直ほとんど交流がない。とはいえ、性別も異なる姉弟など、王家に関わらずどこの家でもこういうものだろう」
「そうかもしれないわね」
　これで一旦、イザベラ様についての話題は終わりになった。
　……私の考え過ぎかしらね。たまたまへんな夢を見ていただけかもしれないし。
「ありがとう、メイサ。だいぶ体が軽くなった」
「よかった。それじゃあ、着替えて頭髪のセットをしちゃいましょう」
「あぁ」
　その後は、いつも通り身支度を済ませたアズフィール様と食堂に向かった。

「おはようございます。アズフィール様、メイサ様」
　食堂に着くと、執事長のアルバートさんが、丁寧に腰を折って迎えてくれる。
「おはよう」
「おはようございます、アルバートさん」