秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
なぜかアルバートさんは、挨拶した最初の日から私のことを様づけで呼ぶ。呼び捨てで構わないと何度も伝えたけれど、アルバートさんは「とんでもない」と首を横に振るばかりで、絶対に受け入れてくれない。
アルバートさんの丁寧な応対を見るにつけ、アズフィール様の専属女官というのが王宮内でこうも優遇される役目だったのかと実感する。いち女官の延長としか考えていなかった私はいまだに慣れず、毎回気後れしてしまう。
食卓には既にふたり分のカトラリーが隣合って並べられており、私が席に行くと給仕係が慣れた様子で椅子を引いてくれる。
「本日は、陛下の朝の謁見に同席いただく予定になっております。八時半に謁見の間にお越しください。その後は──」
アルバートさんはいつも通り、今日の公務予定などをアズフィール様と確認していく。
「あぁ、わかった」
「それでは、私はこれで失礼いたします」
確認が終わると、アルバートさんは丁寧な礼を取って退出していく。
アルバートさんの丁寧な応対を見るにつけ、アズフィール様の専属女官というのが王宮内でこうも優遇される役目だったのかと実感する。いち女官の延長としか考えていなかった私はいまだに慣れず、毎回気後れしてしまう。
食卓には既にふたり分のカトラリーが隣合って並べられており、私が席に行くと給仕係が慣れた様子で椅子を引いてくれる。
「本日は、陛下の朝の謁見に同席いただく予定になっております。八時半に謁見の間にお越しください。その後は──」
アルバートさんはいつも通り、今日の公務予定などをアズフィール様と確認していく。
「あぁ、わかった」
「それでは、私はこれで失礼いたします」
確認が終わると、アルバートさんは丁寧な礼を取って退出していく。