秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
……うぅーん。それにしたって、専属女官がお世話されるっていうのもなんだかへんよね。
バターが香ばしいオムレツを頬張りながら、内心でなにかがおかしいと首を捻る。
実は、アズフィール様が独自にそう呼んでいるだけで、『専属女官』というのは正式な役職として存在しない。王宮内で、専属女官という役職名で務めているのは私ひとりだけだ。
もっとも、王妃様にはどこに行くにも必ず伴う気に入りの女官がいるし、イザベラ様も気に入りの護衛騎士を常に側に置いていると聞く。なんだかんだでアズフィール様も、私のことを気に入ってくれているのかしら……。
……いいえ、それは違うわね。
最初の時、アズフィール様は私の能力に対し『実に得難い』とこう言った。彼は私の治癒チートを知り、己のもとに置いておきたいがために、専属女官という存在もしない役職名で囲い込んだだけ。彼が欲しいのは私の能力であり、私自身のことをどうこうという話ではない。
「浮かない顔をしてどうした。食事が口に合わんか?」
バターが香ばしいオムレツを頬張りながら、内心でなにかがおかしいと首を捻る。
実は、アズフィール様が独自にそう呼んでいるだけで、『専属女官』というのは正式な役職として存在しない。王宮内で、専属女官という役職名で務めているのは私ひとりだけだ。
もっとも、王妃様にはどこに行くにも必ず伴う気に入りの女官がいるし、イザベラ様も気に入りの護衛騎士を常に側に置いていると聞く。なんだかんだでアズフィール様も、私のことを気に入ってくれているのかしら……。
……いいえ、それは違うわね。
最初の時、アズフィール様は私の能力に対し『実に得難い』とこう言った。彼は私の治癒チートを知り、己のもとに置いておきたいがために、専属女官という存在もしない役職名で囲い込んだだけ。彼が欲しいのは私の能力であり、私自身のことをどうこうという話ではない。
「浮かない顔をしてどうした。食事が口に合わんか?」