秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
……いや、瞳の色や整った顔の造作など、見た目的な特徴で言えば、ふたりはたしかに似ているのだ。しかし、この姉弟が肩寄せ合って並んでいるところがまったく想像できなかった。
本音を言うと、私がイザベラ様に抱いた第一印象はよくなかった。あくまで私が受けた印象だが、その爪と同様にイザベラ様はどこか禍々しかった。
「ありがとう、セルジュ。私にはあなただけが頼りよ」
イザベラ様は銀髪碧眼の美貌の騎士──セルジュを見上げ、少女めいた無垢な笑みを浮かべる。そうして真っ赤に塗られた指先を伸ばし、そっと彼の頬に触れる。
ふたりは視線を絡ませて、どちらからともなくしっとりと唇を寄せ合った。
ゴクリと生唾をのみ、ふたりの逢瀬からスッと視線を逸らす。見てはいけないものを見てしまった気まずさから、逃げるように踵を返した。
足音を忍ばせてトンネルを引き返しながら、私は背筋にぞくりとした薄ら寒さを感じていた。
……まるで、イザベラ様は魔女のようだ。
本音を言うと、私がイザベラ様に抱いた第一印象はよくなかった。あくまで私が受けた印象だが、その爪と同様にイザベラ様はどこか禍々しかった。
「ありがとう、セルジュ。私にはあなただけが頼りよ」
イザベラ様は銀髪碧眼の美貌の騎士──セルジュを見上げ、少女めいた無垢な笑みを浮かべる。そうして真っ赤に塗られた指先を伸ばし、そっと彼の頬に触れる。
ふたりは視線を絡ませて、どちらからともなくしっとりと唇を寄せ合った。
ゴクリと生唾をのみ、ふたりの逢瀬からスッと視線を逸らす。見てはいけないものを見てしまった気まずさから、逃げるように踵を返した。
足音を忍ばせてトンネルを引き返しながら、私は背筋にぞくりとした薄ら寒さを感じていた。
……まるで、イザベラ様は魔女のようだ。