秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「なにも知らない両親が、ご挨拶させていただいたらしいの。そうしたらアマンサ様は『メイサの母を、ご息女の言うところの尻軽に育ててしまった私が、顔を出していい場所ではなかった』と、淡々と口にして帰ってしまわれたそうよ。最初、両親は意味がわからなかったらしいのだけど、さすがにおかしいと思ったようで慌てて帰ってきたわ。私が夜会でのことを白状したら、父は血相変えて私を引っ張ってヴェラムンド伯爵家に謝りに行ったわ。そこに、あなたはいなかったわけだけど、アマンサ様と伯爵には心からお詫びしたわ」
「なるほどね。祖母の影響力を知って、恐れをなしたってわけね」
 それにしたって、祖母も大人げないことをする。王家から降嫁した元王女の影響力は、計り知れないというのに……。
 とはいえ、普段の祖母ならまずこんな行動はしない。たぶん、どこかから偶然夜会での一幕を耳にして、相当おかんむりだったのだろうな……。
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