秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
エイル神聖王国唯一の王子として生を受けた俺は、皆から甘やかされ、過保護に育った。そのため、幼少期の俺は同年代の少女のよりも貧弱で泣き虫だった。だが、俺はある時を境に自らの意思で温室育ちに甘んじる暮らしに決別した。七歳頃のことだ。
不思議なのだが、具体的にどんなきっかけで考えを改めたのかはまったく覚えていない。ただ、ある時から弱い自分を変えたいと切望し、血の滲む思いで武芸に励んだ。
そうして努力の甲斐あり、今では騎士団長にだって負けない剣の腕を身につけている。よく勘違いされるのだが、俺の剣は決して周囲が考えるような芸事の範疇ではない。俺の剣は、武芸の域に留まらない実践の剣だ。これは声を大にしては言えないが、騎士団に所属していた時分、俺は身分を考慮した配属を不服とし、紛争地帯の制圧に出向く部隊に紛れ込んだ。生死のかかる極限状態での切り合い、そして命を断ち切る感触を、俺はあの時に骨身に染みるほど経験した。
不思議なのだが、具体的にどんなきっかけで考えを改めたのかはまったく覚えていない。ただ、ある時から弱い自分を変えたいと切望し、血の滲む思いで武芸に励んだ。
そうして努力の甲斐あり、今では騎士団長にだって負けない剣の腕を身につけている。よく勘違いされるのだが、俺の剣は決して周囲が考えるような芸事の範疇ではない。俺の剣は、武芸の域に留まらない実践の剣だ。これは声を大にしては言えないが、騎士団に所属していた時分、俺は身分を考慮した配属を不服とし、紛争地帯の制圧に出向く部隊に紛れ込んだ。生死のかかる極限状態での切り合い、そして命を断ち切る感触を、俺はあの時に骨身に染みるほど経験した。