秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「銀色ドラゴンよ。でも、金色クラスにだって負けないくらい賢くて、とっても速く飛べるの。ただ、お祖父ちゃん同様に高齢に差し掛かっていて……。今回はずいぶんと無理をさせてしまったわ」
 心配する私を余所に、ジジは平然と飛び続けてくれたけれど、麓に着地させた時にはさすがにぐったりしていた。
「そうか。ならば帰路は、メイサは俺とアポロンに乗るといい。乗る人数を減らせば、ドラゴンの負担も軽減する」
「なんだ、私がドラゴンにひとり乗りをするのか? 普通に考えたら、メイサ嬢の実家のドラゴンなんだから、メイサ嬢がひとりで──い、いやっ! メイサ嬢、帰りはぜひ、私に君のドラゴンを貸してほしい。物凄く、ひとりで乗りたい気分なんだ!」
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