秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「いいや。会議中は一度も顔を上げず、ずっと俯いたまま体を小刻みに震わせていた。時々、嗚咽のような声も漏らしていた。……もしかすると、姉上は俺に合わせる顔がないと、己の行いを恥じ入ったのかもしれん」
「……そう」
私には、イザベラ様がそんな殊勝な心を持ち合わせているとは思えなかったけれど、本当にアズフィール様の言葉通り、反省してくれているならいいと思った。
「代わりに母上が『親として、こんな状況を許してしまってすまない』と俺に頭を下げるんだ。俺は両親に責任があるとは微塵も思っていないのだがな。これには参った」
アズフィール様が、くしゃりと力なく笑みの形を作って告げる。彼の心が、ひどく傷ついているのがわかった。
アズフィール様は、腹に一物抱えたような食えない性格で、いつだって飄々としている。でも、専属女官として側で見ているうちに、彼の違った一面が見えるようになってきた。随所から垣間見える彼の優しさはその最たる。
そして、きっと彼の本質は皆が思う以上に繊細だ。
「……そう」
私には、イザベラ様がそんな殊勝な心を持ち合わせているとは思えなかったけれど、本当にアズフィール様の言葉通り、反省してくれているならいいと思った。
「代わりに母上が『親として、こんな状況を許してしまってすまない』と俺に頭を下げるんだ。俺は両親に責任があるとは微塵も思っていないのだがな。これには参った」
アズフィール様が、くしゃりと力なく笑みの形を作って告げる。彼の心が、ひどく傷ついているのがわかった。
アズフィール様は、腹に一物抱えたような食えない性格で、いつだって飄々としている。でも、専属女官として側で見ているうちに、彼の違った一面が見えるようになってきた。随所から垣間見える彼の優しさはその最たる。
そして、きっと彼の本質は皆が思う以上に繊細だ。