秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
アズフィール様がこんなふうに、甘えて私に体を寄せてきたのは初めてのこと。密着した体勢もさることながら、常にない彼の弱った様子が私の胸をひどく窮屈にさせた。
「ええ」
私はそのまま、アズフィール様の肩や背中を優しくさすった。
──カタンッ。
その時、扉の方から小さな物音があがる。
「メイサ!」
直後、私はアズフィール様にドンッと弾き飛ばされて、ベランダの床に尻もちをついた。
「きゃっ」
咄嗟のことに、なにが起こったのか理解が追いつかない。戸惑いつつ視線を向けると、私を庇うように立つアズフィール様の背中が見えた。
「馬鹿な真似はやめろ! そんな物に火をつければ無事では済まんぞ!」
アズフィール様の鋭い声があがる。
……今、火と言った? いったい、なにが起こっているの!?
「馬鹿な真似? そうかしら。お前にみすみす王位を奪われるくらいなら、共に死んだって本望だわ」
イザベラ様の声……!
「ええ」
私はそのまま、アズフィール様の肩や背中を優しくさすった。
──カタンッ。
その時、扉の方から小さな物音があがる。
「メイサ!」
直後、私はアズフィール様にドンッと弾き飛ばされて、ベランダの床に尻もちをついた。
「きゃっ」
咄嗟のことに、なにが起こったのか理解が追いつかない。戸惑いつつ視線を向けると、私を庇うように立つアズフィール様の背中が見えた。
「馬鹿な真似はやめろ! そんな物に火をつければ無事では済まんぞ!」
アズフィール様の鋭い声があがる。
……今、火と言った? いったい、なにが起こっているの!?
「馬鹿な真似? そうかしら。お前にみすみす王位を奪われるくらいなら、共に死んだって本望だわ」
イザベラ様の声……!