秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「それなのに生まれたのは男のお前だった。私についていた帝王学の教師は解任され、五年後にお前付きとして戻ってきた。あの時、私がどんなに悔しかったか……。両親は相変わらず優しかったけれど、将来の王として接していたこれまでとは態度が違っていた。私は十八年前のあの日、他の妹たちと同列の『ただの娘』に成り下がった」
「待ってくれ、姉上! あなたの気持ちはわかった。だが、決してそれだけではないはずだ。あなたは、幼い俺に優しくしてくれたではないか? 幼い時分、異国の珍しい菓子を分けてもらったり、ドラゴン舎に連れていってもらったり、あなたに優しくしてもらった記憶がたしかに残っている。そうだ、樹林公園で一緒にかくれんぼに興じたことだってあった」
アズフィール様はこの段になっても、姉であるイザベラ様の善の端緒を模索しようとしていた。
「待ってくれ、姉上! あなたの気持ちはわかった。だが、決してそれだけではないはずだ。あなたは、幼い俺に優しくしてくれたではないか? 幼い時分、異国の珍しい菓子を分けてもらったり、ドラゴン舎に連れていってもらったり、あなたに優しくしてもらった記憶がたしかに残っている。そうだ、樹林公園で一緒にかくれんぼに興じたことだってあった」
アズフィール様はこの段になっても、姉であるイザベラ様の善の端緒を模索しようとしていた。