秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
私のざっくばらんな物言いに、祖父は口もとの皺を深くして、ヘイゼルの瞳を細くした。
祖父は当初こそ、伯爵家の令嬢としては少々型破りで優雅さに欠く私の言動を憂い、なにかと口うるさく言ってきたが、いつの頃からかなにも言ってこなくなった。私が市井に下りて、ブロームら街の人たちと多くの時間を過ごすことも静観している。
そこにどんな思いがあったのかは、私にはわからない。ただひとつ、伯爵令嬢だった母が生んだ私生児である私に向けられる目は、特に社交界では辛らつだ。もしかすると祖父は、そんな私の窮状を知るにつけ、結婚とかそういったものを諦めたのかもしれない。
どちらにせよ、昔も今も私を見つめる祖父の目は、変わらずに優しいままだ。
「まずは張りの具合から見ていくね」
「あぁ、頼む」
そっと手をあてた祖父の肩は鍛えられているが、若い者に比べるとその肌は少し張りと潤いを減らしていた。
「……ねぇ、お祖父ちゃん。お灸でも鍼でもいつでもしてあげる。だから元気で長生きしてよね」
祖父は当初こそ、伯爵家の令嬢としては少々型破りで優雅さに欠く私の言動を憂い、なにかと口うるさく言ってきたが、いつの頃からかなにも言ってこなくなった。私が市井に下りて、ブロームら街の人たちと多くの時間を過ごすことも静観している。
そこにどんな思いがあったのかは、私にはわからない。ただひとつ、伯爵令嬢だった母が生んだ私生児である私に向けられる目は、特に社交界では辛らつだ。もしかすると祖父は、そんな私の窮状を知るにつけ、結婚とかそういったものを諦めたのかもしれない。
どちらにせよ、昔も今も私を見つめる祖父の目は、変わらずに優しいままだ。
「まずは張りの具合から見ていくね」
「あぁ、頼む」
そっと手をあてた祖父の肩は鍛えられているが、若い者に比べるとその肌は少し張りと潤いを減らしていた。
「……ねぇ、お祖父ちゃん。お灸でも鍼でもいつでもしてあげる。だから元気で長生きしてよね」