秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
まるで王子様みたいな気品あふれるその姿に、ドクンと脈が跳ねる。自分が童話の世界のお姫様にでもなったみたいな心地がした。とても現実世界の出来事とは思えなくて、心と体がふわふわしていた。
「改めて、その節は世話になった。俺はアズフィール・フォン・エイル。この国の第一王子だ。君がいなければ、俺は今、こうしてここにいないだろう。君に救われた、本当にありがとう」
「え? 嘘っ、本物の王子様……!?」
耳にした瞬間、私は目を真ん丸に見開いて素っ頓狂に叫んでいた。
ふわふわした心地は一瞬で霧散して、代わりに私の心にバリアが出来上がる。王子様との交流なんて、今世でやっと築いた自由気ままな暮らしが脆く崩れるリスクでしかない。
……うん! できるだけ当たり障りなく応対して、なんとかこの場だけやり過ごそう!
瞬時に算段する私を、アズフィール様はにこやかに見つめて口を開く。
「黙っていてすまなかった。もっとも、三日前のあの状況ではとても名乗れるような状況ではなかったがな」
「改めて、その節は世話になった。俺はアズフィール・フォン・エイル。この国の第一王子だ。君がいなければ、俺は今、こうしてここにいないだろう。君に救われた、本当にありがとう」
「え? 嘘っ、本物の王子様……!?」
耳にした瞬間、私は目を真ん丸に見開いて素っ頓狂に叫んでいた。
ふわふわした心地は一瞬で霧散して、代わりに私の心にバリアが出来上がる。王子様との交流なんて、今世でやっと築いた自由気ままな暮らしが脆く崩れるリスクでしかない。
……うん! できるだけ当たり障りなく応対して、なんとかこの場だけやり過ごそう!
瞬時に算段する私を、アズフィール様はにこやかに見つめて口を開く。
「黙っていてすまなかった。もっとも、三日前のあの状況ではとても名乗れるような状況ではなかったがな」