不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす

「俺がビキニの女性に目移りしないか心配なのか? 安心しろ、千帆以外の女性がたとえ裸で歩いていたって、俺が魅力を感じることはない」
「そ、それはさすがに嘘でしょう!」
「嘘じゃない。その代わりきみが相手なら、会社に出勤するような格好だとしても簡単に欲情する。ビキニに比べたら露出の少ないこの水着も、たまらなくそそるよ」

 耳元で吐息交じりにそんなことを囁かれ、体がカッと熱を持つ。頭上に太陽がキラキラと輝く明るい昼間、そしてたくさんの人のいる船上なのに、私たちの周囲だけ、なんだかよこしまな空気が流れている。

 斗馬さんの裸の胸に触れた時と同じ〝変な気持ち〟が、勝手に私の中で膨らんでいく。

「斗馬さん……」
「ん?」

 私は彼の腕をきゅっと掴み、恥を忍んで訴えた。

「助けてくれませんか? 私、体も心もなんだかとてももどかしくて……どうしたらいいのか、わからなくて」

 ナンパされた時の不安や焦り、彼に色っぽい女性が近づいた嫉妬、そして、斗馬さんへの純粋な愛情が複雑に絡み合い、私を積極的にさせていた。

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