不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
「千帆……」
「はしたないことを言ってごめんなさい。でも、私、苦しくて……ンッ」
涙目で自分の状況を説明している途中、斗馬さんが思わずといった感じで私に口づけた。触れ合う唇の熱さから、彼の感情も昂っているのを感じる。
斗馬さんも、私と同じように苦しいの……?
数秒ののち唇を離した彼はそれから無言で身を屈め、私の膝裏と背中に手を添え抱き上げた。
「きゃっ」
「安心しろ、焦れているのはきみだけではない。部屋へ戻るぞ」
「は、はい」
私は大人しく彼に身を委ね、部屋まで運んでもらう。これから起こることを察して、心臓が激しく暴れた。
客室に戻り、斗馬さんがまっすぐ向かって行ったのは寝室。先にシャワーを浴びるのかと思っていたから、私は慌てた。
「あの、水着がまだ濡れていますが……」
「すぐに脱ぐことになるんだから気にするな。どのみちシーツは濡れる。きみがあふれさせる蜜でな」
斗馬さんは恥ずかしいことをサラッと囁き、キングサイズのベッドに私を優しく下ろす。それから羽織っていたラッシュガードをうっとうしそうに脱ぎ捨て、床に放り投げた。