不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
「あっ、斗馬さん……っ、ダメ……っ」
「止まれないのはきみのせいだ。ああ、千帆、千帆……っ」
生まれた時から許嫁の私が、他のどんな女性より一番彼を知っていると自負していた。でも、男女の関係という意味では、私はとても無知だったんだと思い知る。
と、同時にうれしかった。七つも年下で処女だった私を、斗馬さんがこんなに貪欲に求めてくれることが。
圧倒的に雄を匂わせた斗馬さんに組み敷かれて甘い啼き声を上げながら、私は今までで一番幸福な気持ちになっていた。
他の女性と戯れた過去は消せないし、中華料理店で見かけた女性の存在も気になる。
でも、こんな風に全力で愛してくれる彼を、私自身が手放せそうにない。
斗馬さんの過ちを許して、ふたりで未来へ進みたい。
そんな思いが胸に光を灯すのを感じながら、私は一心不乱に彼と抱き合い、シーツの波間に溺れていった。