不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
「お恥ずかしいです……私に会いたくないって理由で来なかったわけじゃないとわかって、安心するなんて」
「そんなことはありません。必ずまた、別の日に機会を設けましょう」
「ありがとうございます。剣先さんのお陰で彼に会えるかもってなったら、急に欲が出たんです。彼ともう一度やり直したい……今、素直にそう思っています」
「きっと、夕飛も同じ気持ちですよ」
それから美鶴さんに食事をするか尋ねたが、食欲がないと言うのでそのまま店を出ることにした。
俺も女性とふたりで食事をするのは避けたかったし、明日の旅行に向けて荷物の最終チェックなどもしたかったので、早く帰れるのはありがたかった。
改めて夕飛から電話が入ったのは、新婚旅行二日目。あろうことか、千帆を始めて抱いた後、その甘い余韻に浸っていた時だった。
俺の与える刺激に素直に反応する千帆のなまめかしい姿態を反芻しながら、ベッドで眠る彼女を見つめること、数十分。
サイドテーブルに置いていたスマホが不意に振動し始めたので、手を伸ばしてスマホを手に取る。