不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす

《なにからなにまでごめん。斗馬は事故の件で美鶴と繋がりがあったってだけなのに、俺たちのゴタゴタにまで巻き込んじゃったな》

 夕飛には、美鶴さんと再会した直後に、彼女が四年前の船上火災に巻き込まれていた件を伝えていた。

 事故は当時大々的に報道されたため夕飛ももちろん覚えていたが、美鶴さんが乗船していたとは思いもよらなかったようで、かなり驚き混乱していた。

「いや、俺も会いたいと思っていたからよかった。彼女のこと、ずっと心に引っかかっていたんだ」

 船上火災の直接的な原因を作ったのは乗客のひとりだったとはいえ、クルーズ船を運航させていた剣先のグループ企業において、火器を持ち込ませないようなチェック体制が甘かったのは事実。

 偶然とはいえ船に乗り合わせ、避難指示に協力した身として他人事とは思えず、会社の責任者たちと共にけがを負った乗客全員のもとへお見舞いに出向いたが、直接会えないのは美鶴さんだけだったのだ。

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