不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
私はそんな斗馬さんを尊敬し、ごく自然に男性としても慕うようになった。
斗馬さん以外の男性には興味も湧かないし、結婚するまで貞操を守るのが当然。
私はそう思っていたのに、斗馬さんの方は他の女性と遊んでいただなんて、あまりにひどい仕打ちではないだろうか。
『そういや、あの時お持ち帰りした天使の味はどうだった?』
『ああ。あれは病みつきになるな、白くてやわらかくて……背徳的なうまさだった』
『だろ? 斗馬なら好きだと思ったんだ』
目眩を感じた私は、よろけつつドアから後退した。
なんなの、今の話は……。斗馬さんは女性との飲み会に参加しただけでなく、天使のように愛らしい女性を家まで持ち帰り、背徳を感じながら抱いたと?
ショックを受けると同時に、怒りでわなわなと体が震えた。
見損なったわ、斗馬さん。あなたとの結婚は、間違いだった――。
そんなやるせない気持ちを胸に抱きながら、私は結婚式に臨んでいたのだ。