不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
「夫婦でいる間は、遠慮なく触れさせてもらう。俺がどれほどきみを想っているか、わからせるために」
「斗馬さ……んっ」
一度キスから解放されて油断した直後、斗馬さんの両手が私の顔をがっちり固定して、さらに激しい口づけを仕掛けられる。
誓いのキスがファーストキスだった私にとって、未知の領域だ。
こんな時目を閉じるべきなのか開けるべきなのか、息継ぎのタイミングもまるでわからない。
溺れるようにもがいて彼の胸を押し返すけれど、斗馬さんの逞しい体はびくともしない。
「んっ、はぁ、やめ……てっ」
「自分を裏切った夫からのキスなのに、そんなに甘い声を出していいのか? 俺を煽るだけだぞ」
鋭く目を細めた斗馬さんが、軽く舌なめずりをする。それから私の体をドサッとソファに倒し、舌を絡め、濡れた音が立つほど官能的なキスを繰り返した。
斗馬さんのことは昔からよく知っているはずなのに、こんなに雄を感じさせる姿を見るのは初めて。自分の意思とは無関係に胸が高鳴り、体が熱くなる。
でも――。
「やっぱり、手慣れてる……」
キスの合間にボソッと呟くと、斗馬さんがぴたりと動きを止める。
私は浅い呼吸で胸を上下させながら、悔し紛れに彼を睨んだ。