公親先生と遊ぼう! 〜未来の種 番外編〜
親父達は、ゆっくり時間をかけて1周するらしい。
走ると言うよりは歩くだな。
さすがに、年齢を考えればそれが妥当だ。

小学生連れの大西先生も同じだ。

俺はこの寒さの中、走る気になっていた。
なんだろう?
走る前からアドレナリンが出ている感じだ。

走り出してすぐ気づいた。

美由紀先生のフォームは、とても綺麗だ。
体の重さを感じさせない、無駄のない走り。
“まっすぐ”という言葉が浮かぶ、そんな走り方だった。

男の俺と走るペースがピッタリあっている。速いな。

寒いのは苦手だけど、彼女を目の端で捉えながら走っていると、全く寒さを感じなかった。

どこか、浮き足立つような気持ち。
久しぶりに感じる高揚感だ。

2周を一気に走りきって元の場所に戻ったが、まだ誰も戻って来てはいなかった。

「乾先生、速いんですね」

「それはこっちのセリフ。
美由紀先生、めちゃくちゃ速いよね?
走ってたの?」

「陸部でした。中距離です」

なるほど。それでか…。

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