公親先生と遊ぼう! 〜未来の種 番外編〜
「まだ走る?」

ショートカットなら行けなくはない。

「いえ、今日はもう……」

あれ? 体調が悪そうには思えなかったけど…

「お腹が空きすぎて、力が出ません。」

「フッ……アンパンマンかよ」

「あら、それならお顔の汚れですよ」

「そうだっけ?」

「そうですよー。
幼稚園の先生に間違いはありません」

「それは失礼した。
集合時間がちょうど夕飯時だもんな。
俺も、さすがに食べてから走るのは無理だと思ったから、何も食べてない」

「感染状況が落ち着いている時は、この後食事に行かれたり、飲みに行かれたりする方もいらっしゃいます。
でも基本的には、直ぐに帰られる方がほとんどなんです。」

「そっか……」

そりゃそうだ。
今は以前に比べて感染状況が落ち着いているとはいえ、まだ外食にはハードルが高い。

それに職業柄、やっぱり人の目を気にする。

「残念だな、もう少し話したかったのに…」

「え」

おっと、完全に心の声が漏れた。

「あ、いや、その……
親睦会も兼ねて、この後みんなで食事でも行けたら良かったのにって思っただけなんだ。」

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