公親先生と遊ぼう! 〜未来の種 番外編〜
俺たちはダウンロードした婚姻届に記入した。

明日は、美由紀の両親との顔合わせだ。
そしてそのままこの婚姻届を提出しに行く。


「お姉ちゃんが結婚した時にね、名前が変わったのよ。当たり前のことだけど。」

「うん?」

「私も、いつか名前が変わるんだなーって、その時は漠然と思っていたの。」

「…うん」

「いざ……名前が変わるんだって思うと…」

思うと?

「……こんな気分だったんだ…」

こんな気分ってなんだ?

イヤなのか? 乾が変わってる?
田中と比べたら…………変わってるかも。

「フフフ……私ね、ちょっと平凡だけど、田中美由紀って名前、結構気に入ってたの。
生まれてからずっとこの名前だったんだから、愛着があって当たり前よね?」

「……ああ」

「乾 美由紀」

美由紀がそう言った瞬間、俺の心臓がドクッと動いた。

「新しい私、すっごく素敵な名前だと思わない?」

「あ、ああ…うん。似合ってるよ」

似合ってる。
それに、本当に俺のものになるんだ!
って思うよ。

自分が、こんなに独占欲の強いタイプだと思わなかった。

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