公親先生と遊ぼう! 〜未来の種 番外編〜
いつものよう約45分かけて、バスは聖堂館学園に戻ってきた。

正門前で園児たちを降ろす。

先に降りた先生が、園児たちがバスから転げ落ちないように、一人一人手を貸してあげる。

降りた子供たちは、出迎えた園長先生が列を作ってくださる。

ペアの先生が忘れ物がないか確認しながら最後の園児をバスから降ろす。

これが毎日のルーティンだ。

今日の私は、忘れ物がないか確認する役割を担っていた。

バスから降りると外が騒がしい。

「きみちかせんせいだ!」

「きみちかせんせい、おはようございまーす!」

なんと、たまたま高等部の登校当番のため正門前にいた公親先生に、園児たちが群がっているのだ。

そして、園長先生は公親先生の隣に立って談笑している。

「きみちかせんせい、なぞなぞやって!」

「きみちかせんせい、これコマネチでしょう? じいじにきいたのー!」

なんだかみんな“コマネチ!”と、同じ真似をしているけど…

あれは昨日
『パンはパンでも食べられないパンはなーんだ?』
という私の問いかけに、公親先生が
『パンツじゃないよ?』
と言って“コマネチ”をしていたやつだ。

……めっちゃウケてる。

依子先生が笑っていたのも、きっとあれが原因だわ。

とってもマズイ。
でも園長先生が笑っているんだから、大丈夫なのよね??
後で大目玉食らったりして……

触らぬ神に祟りなし

早く園児たちを引き離さなきゃ!


< 36 / 127 >

この作品をシェア

pagetop