公親先生と遊ぼう! 〜未来の種 番外編〜
漬けマグロ丼で釣ってみる
ちょっと強引だったか?

ほぼ無理やり承諾させたような形だが…



子供服売り場で、うちの園児と保護者に見つかった。

あの場は何とか切り抜けたと思う。

あの母親は、俺達の関係に気遣いを見てくれていたから、おそらく広まることはないだろう。

だが、こちらが気づいていなくても、どこに目があるかわからないのだ。

あの親子以外にも、きっと声はかけて来ないけれど「目撃した!」なんて言われてているんだろう。



俺は中学部の乾教諭の息子として育った。
教師って、変な話、芸能人並みに見られているんだ。

小さい時から、学園の生徒やその家族と街中で出会ったら、必ず挨拶をさせられた。

礼儀正しく、快活に。

俺も弟もそれが当たり前で育ったのだ。

だから、今日のような状況は、俺にとっては大したことではない。

でも、まだ教師1年目の美由紀先生には、きっとその社交力は備わっていない。

さっきも、悪いことをしているわけではないのに、オタオタしていたよな。

……可愛かったけど。

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