公親先生と遊ぼう! 〜未来の種 番外編〜
「淳くんにも同じことを言われました。
でも、カップルごとの個性って言うんでしょうか。カップルごとに『当たり前』が違っても、それは仕方ないことなのかと。
私も最初は暇な女子大生だったわけですし…」

それは甘やかしすぎだろう。
なんでそんなやつを好きになったんだよ。

……いや、ひょっとしたら、最初から天秤が一方に傾いたカップルとしてスタートしたのかもしれないな。

別に知りたくもないけど。

それに俺だって、同じようなことをしていた。

元カノと連絡が取りにくくなって、本当は会いに行くべきだとわかっていたが、俺自身が社会人1年目で、毎日が精一杯だった。会いにいく余裕がなかったんだ。

後で何度も後悔した。
もし、あのクソ忙しい時に、頑張って会い行っていたら、何かが変わったのだろうか、と。

彼女の勤務地が幾度変わっても、続けられたのだろうか、と。

でも、今ならわかる。
俺達はそんなに大層なものじゃなかった。もちろん、好きになって付き合ったけど、離れてしまえばそれで終わりの関係だったんだ。

優と美衣子のように、何年離れていても、どれだけ遠くにいても、お互いが唯一無二の存在で、会えばそこから何度でもやり直せる、そんな関係ではなかった。

それこそ、代わりのいる存在だったんだ。


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