公親先生と遊ぼう! 〜未来の種 番外編〜
「だから、そうだな。
それから遠距離は……俺には無理だと思った。
どれだけ相手のことが好きだと思っても、それこそ運命の相手だと思っても、無理だと思った。怖くなったんだ。」

「それもわかります。
私も、離れているって言うだけで疑心暗鬼になりそうで…。
トラウマになってるのかな…」

「これだけは言えるよ。
美由紀先生は悪くない。
ちゃんと付き合ってたんだ。
悪いのは浮気をした方。
気にするな、って言っても難しいかもしれないけど、そんなやつのことはもう忘れた方がいい」

俺がそういうと、美由紀先生は少し寂しげに笑った。

「もう忘れています。
ふと……たまに思い出しちゃうことはあるけど、それもただ裏切られたって言う、なんだかわからない虚しさ? そういうのが襲ってくるだけ。
……その人のことをまだ恋しいとは思いません」

『失恋は新しい恋で癒す』って言葉、知ってる?

思わずそう言いかけたけど、さすがにそれは言わなかった。

思いがけず知った、彼女の過去。
まさか、同じような経験をしていたとは思わなかった。

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