公親先生と遊ぼう! 〜未来の種 番外編〜
反対側の玄関ドアが並んだところに、美由紀の姿が見えた。

警察官と話している。

「美由紀!」

「え? あ、公親くん!
あ、あの……」

「ご友人ですか?」

美由紀と話していた警察官が俺に話しかけてきた。

「……はい。何があったんですか?」

「昨晩、田中さんの隣の部屋に空き巣被害がありました」

「は?」

「幸い、住人は昨夜留守で、盗られたものの他に被害はなかったんです」

「……」

美由紀が青ざめて下を向いている。

「昨夜の様子を田中さんにお聞きしようと……あと、ここ最近で不審な人物を見なかったか、今伺っているところです」

あの窓ガラスの部屋は、美由紀の部屋ではなかったのか。

不幸中の幸いだが、犯人が選んだ部屋が1つズレていれば、彼女の部屋が被害にあっていたんだ。

たまたま昨夜は居なかったが、一日でも早かったら……

「……失礼ですが、昨晩はご一緒で?」

「はい。彼女は俺の部屋に泊まっていました。」

「そうですか…」

ふと美由紀を見ると、何故か赤い顔をしている。

照れてる場合じゃないだろう。
事実を言わないと!

「お名前を伺っても?」

「乾 公親です。彼女の婚約者です。」

美由紀がパッと顔を上げた。
……余計なことは言うなよ?
という意味を込めて、睨みつける。

警察官がメモを取っていく。

「このアパートには?」

「あまり来ることはありません。
いつもうちで会っているので」

「そうですか……」

不審な人物を割り出したいのか。

でも、俺にとってそれはどうでもいいことだ。

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