すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
 三人で懐かしい話をしているうちに、あっという間に目的地らしき場所に着いた。

 車を停めて、三人は外に出る。

「昔行った場所って、ここの道を抜けた場所だったよね?」

 悠真がお父さんに質問をする。

「そうそう。ふたりで行っておいで! 父さん、車で休んでるわ。ゆっくりしてきて良いからね」

「ありがとう、父さん!」
「ありがとうございます!」

 お礼を言うと、木に囲まれた小道の中を進む。
 抜けると、凄く綺麗な景色がそこにあった。

 うっすらと雪が積もって、大きな木が一本だけ立っていて、とてもシンプルな丘。空には瞬きをしている星達がたくさん見える。キラキラ光を放ちながら踊っていて、すごく綺麗だった。

 好き。

 静かで、雪の優しい香りもほのかにして

 好き。

 そして、隣には悠真がいて

 好き、大好き。

 この今見える世界が、全部好き。

 綺麗すぎて、大好きすぎて、涙が出そうになる。
 ぐっとこらえる。

 ――でもこの景色、前に見たことがある気がする。ここに来た記憶は一度もないのに。



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