すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
 クリスマスイブは終業式の日と重なり、学校は早く終わった。父さんが迎えに来てくれる時間まで、まだまだある。

 緊張しすぎる。

 気持ちが落ち着かなくて、天気予報は晴れで星が綺麗に見えそうだったけど、いきなり雲が現れて何も見られなかったらどうしようとか考えて、何度も天気予報をチェックした。

 プレゼントを渡す練習だとか、車で話すこと、現場でどうしようだとかもシュミレーションした。

 落ち着ける時間は一切なかった。

 父さんが少し早めに来てくれて、そのまますぐ車に乗り、結愛の元へ向かった。

 約束の五分前に結愛の家の前に着いて、父さんは「もうチャイム押して大丈夫だと思うよ」って言っていたけれど、待ち合わせ時間ピッタリにチャイムを押した。

 押す時の手が、震えた。

 ドアが開いた。
 こっちに寄ってきたマロンが気持ちをほぐしてくれた。

 結愛に車に乗ってもらう時、押し込む姿とか、後から考えたら、ちょっと強引だったかも。もっと優しく車の中へエスコートすれば良かったな。

 でもそんなこと考える余裕なんてなかった。

 だって、結愛はいつも可愛いけど、いつもと違う可愛さで、とにかく可愛すぎて、もうドキドキしすぎたんだ。

 車の中の雰囲気は穏やかだった。
 小さい頃のような、懐かしい気持ちもあった。

< 108 / 131 >

この作品をシェア

pagetop