すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
 時々、彼にメールを送った。

『中学二年になると早速嬉しいことが起こる。結愛に、嬉しい気持ちを伝えたかった。もう、伝えられなかったことを全部伝えたかった。辛いことも起こるけど、頑張れ!』

 本当に後悔しているんだ、伝えられなかったこと。

 嬉しかったことは、結愛と同じクラスになれたってこと。

 同じクラスになって、嬉しかったのに、その気持ちさえも伝えられなかった。

 辛いことは、結愛は隣の席の相川陸と、どんどん仲良くなっていく。やがて、ふたりは付き合う。

 結愛が陸に告白をして。

 気持ちを伝えずにただ、逃げていたのかもしれない。どんな小さな気持ちでも、伝えて、拒否されたらどうしようだとか。

 結愛のことが好きすぎて。

 あの頃の自分は一切何も出来なかった。伝えられなかった。今も変わらないけど。
 
 あ、これも過去の俺に伝えないと!
 メールを続けて送信した。

『あと、お願いしたいことがある。結愛は自分のやりたいことを押し殺してしまうから、彼女に、もっと自分の気持ちを周りに伝えてって、言って欲しい』

 結愛をそっと見ていて、もっと気持ちを周りに伝えれば上手くいくのにって思うことが何回もあった。

 自分は結愛に何も伝えられなかったくせに。
 俺が言える立場じゃないのかもしれないけど。




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