すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
『もう、夏休みかな? ふたりはどんな感じ?』

 自分は結愛に偶然会えないかなぁ?とか考えながら、夏休みにこっそり結愛の家の前を通ったりしてみた日もあったけれど、立ち止まれなくてそのまま通り過ぎるだけだった。

 返事が来た。

『緊張したけど、結愛の犬の散歩の時間を予想して、家の前で待ってみた。会えて、一緒に散歩をした。後、公園で陸に偶然あって、サッカー対決して勝った』

 俺は、画面を見ながらガッツポーズをする。
 俺の理想だった展開になっている。

 一緒に結愛といたいと思っていた時に一緒にいられている。

 そして、陸に勝てた。

 実は、俺よりも陸の方がサッカーのレベルが高くて、部活で対決は何度もしたけれど、一度も勝てたことがなかった。

 もう今メールをしている相手は、俺ではなく、完全に別の人のようだった。


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