すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
 日がたつごとに、陸くんへの想いが強くなってくる。

 夏休みまで、あと一週間。

 はぁ、長い休みに入れば、陸くんと会えなくなっちゃうんだ。

 急に寂しくなった。

 最近は、たまぁに部活がない日とか、学校終わったら家にちょっとだけ集まる程度だし。

 寂しいなって話を桃音ちゃんにしたら

「付き合えばもっと会えるんじゃない?」
って。

 考えてみた。

 そうだよね。休みの日、朝からマロンと散歩をする時に待ち合わせて、一緒に歩いたり。

 こういうのもデートなのかな? 
 うん。想像したらデートっぽい。

 想像するだけで胸がときめいてきた。
 でもこっちから告白なんて出来ないし。

 もう告白する瞬間、彼と見つめ合うだけでもうダメ! 

 目が合うのがダメってことは、やっぱり目が合わなければ告白出来るのかも!って、前も同じこと考えたことあるな……。

 ――そういえば!
 
 毎月買っている少女漫画の学園恋愛ドラマの、あるワンシーンを思い出した。

“ 保健室のベッドで眠っている具合の悪いヒロインを心配しに来る男の子。

 チラッと彼女が気持ちよさそうに眠る姿を確認して、大丈夫そうだなとほっとして、彼はカーテンを閉める。彼はそのままその場で立っていて、急に眠っているから聞かれることはないだろうと油断して、カーテン越しに「好きだ」と呟く。それを眠ったフリをしていたヒロインが実は聞いていた!”

ってシーン。

 これだ! やっぱり顔を見なければ良いのかも! 
もしかしたら、想いを伝えられるかもしれない! 

 私は、この漫画を参考にしながらどうしようか考えた。



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