すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
 冬休みに入る。

 学校は休みだし、母さんが仕事で遅い日には自分でご飯の準備をするようになったから、ご飯を食べさせてもらいに結愛の家に行くことはなくなって、姿さえ見られなくなった。

 寂しい時には、結愛に抱きしめられた時のぬくもりを思い出す。

 それから、彼女の表情、声とか。他のことも考えたりはするけど、九割ぐらいは彼女のことだった。

 怪しいメールを思い出して、読み直してみた。

 いたずらや迷惑メールだと思うけれど、もしも本当に未来の自分からだったなら?

 俺は、怪しいメールが来たら返事したらダメだってことを知っていたけれど、返してみた。

『未来の俺へ 今、中学一年生の俺は、結愛と、仲良かった頃に戻りたくて。でもどうしたらいいのか、分からない』

 すぐに返事が返ってきた。

『メールありがとう。気持ちと行動がしょっちゅうバラバラになっちゃうし、なんでも自分で解決しようとしてしまう俺だよね。悩むよね。いきなり元に戻るのは難しい事だから、少しずつ気持ちを結愛に話したりして、心を近づけて、焦らないで少しずつ進んでいけば良いと思うよ』

 そうなんだよな、俺は不器用だし、周りに相談することが苦手で、自分の頭の中で悩みをいつもグルグルさせている。

 このメールの相手、本当に未来の自分かな?

 なかなか思った通りに、すぐには前に進めなかったけど “ 未来の自分 ” と名乗る人からのメッセージ通り、少しずつ前に進もうと思った。

 まずは、結愛との壁を取り除きたい!

 目を合わせるだけでドキドキしすぎたけど、勇気をだして話しかけたり、自分が今出来ることをしてみた。


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