すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
 二年生になり、クラス発表を見た時にメールで書いてあった、嬉しいことが分かった。

 自分の名前を見つけたすぐ後に、無意識に“ 綾野結愛 ” の名前を確認している自分がいた。

 綾野結愛、いた!
 同じクラスなのを確認した。

 ――素直に。
 
 結愛に話しかける。

「綾野、同じクラスだな。良かったわ」

 自分の気持ちを伝えた。
 もう、その言葉を伝えるだけでいっぱいいっぱいだ。

 それから靴箱の場所へ逃げるように行きながら考えた。

 今、結愛に言った言葉、変じゃなかったかな? 
 表情や動き、大丈夫だったかなって。

 頭の中で何回も何回もさっきの自分の言動をリピートさせる。

 朝、結愛と挨拶をした後も何回もリピートさせている。

 いつも結愛の足音が後ろから聞こえてきて、彼女の足音だけはすぐに分かって。

 本当はすぐに振り向いて「おはよう」って自分から声をかけたいのに、気が付かないふりをしてそのまま前を歩いていた。

 メールが来てから、まずは振り向くことを頑張った。

 挨拶を交わせるようになった。

 結愛と朝の挨拶を交わせた日は、ただそれだけで周りをまとう空気が、吹く風も、全て心地よかった。


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