すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
 教室に入る。

 席は出席番号順ですでに決められている。私、綾野結愛は番号が一番だから、廊下側で一番前の席。

 横には、男子で一番の相川陸くんがいた。一年生の時は別のクラスだったから、話しをしたことはないけれど、彼の存在は知っていた。

 すれ違うたびに目で追っちゃうほどキラキラしていたから。

 ふんわり系のイケメン。
 テレビでよく見るアイドルみたい。

 近くで見ると、全てを吸い込んでしまいそうな大きな目でくっきり二重。そして、肌が白くて綺麗。身長も高くて、多分クラスで、いや、学校で、一番カッコイイと思う。

 まつ毛も長いなぁ――。

 黒板を見ている陸くんの横顔をそっと眺めていたら、視線を感じた彼が「どうしたの?」って、こっちを見てきた。

 目が合うと微笑んでくれたから、私もつられて微笑み返した。

 もう、これだけでドキッとした。微笑んだだけで、相手をドキッとさせるの、強い!

 しかも、日直の日誌とか、黒板を消すのとか、率先してやってくれたり、ひとつひとつが優しかった。

 あぁ、彼に話しかけるの、いちいち緊張する。

 近くにいない時も、彼のことを考えるようになって、それだけで胸が高なる。

 ――ドキン!

 彼の存在が私の心臓の波を大きく、高くする。

 なんだろう、この気持ち。

 

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