すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
 終業式の日がきた。
 明日から、夏休み!

「夏休み、どっか行かない? もちろん、マロンちゃんも一緒に」

 帰る直前、教室で陸くんに誘われた。
 
 この言い方は、マロンもいるけれど、ふたりでってことだよね? 

 今、隠しているけれど、悠真と付き合っているし、陸くんと一緒に遊びたいけれど、ふたりっきりは……。

 ちらっと悠真を見ると、こっちをじっとにらんでいた。
 話が聞こえる距離にいて、絶対に話を聞いていた感じ。

 悠真と目が合い、そらせずにいると、こっちに向かってきた。

「帰るぞ!」

 おもいきり悠真が私の手を引っ張る。
 
「やめて、付き合ってるのばれる!」

 他の誰にも聞こえないように、小さな声で私はささやいた。

「じゃあ、陸の誘い、すぐに断ればいいじゃん。嬉しそうな顔して陸のこと見て……」

 すごいヤキモチ。
 悠真は意外に束縛系?

 カバンに荷物をまとめていた桃音ちゃんの方を見ると、彼女は驚いた顔をしてこっちを見ていた。

 クラスのみんなも。
 もちろん陸くんも。

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