すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
おばあちゃんの家の部屋を借り、ドアを閉めて桃音ちゃんと一緒に水着に着替える。閉めきった部屋は空気がもわっとして一気に暑くなる。
「ねぇ、海、凄く綺麗だよね!」
桃音ちゃんが話しかけてくる。
「ねっ! 初めて海に来たけれど、来れて良かった!」
私は答える。
「こういう場所で、告白するのって、ロマンチックだよね! 私、海で悠真くんに告白してみようかな!」
「えっ?」
私は血の気が引き、水着の上に着るパーカーのチャックを途中まで上げた状態で動けなくなった。
「……」
あぁ、きちんと私たちのことを言わないと!
「あ、あのね!」
私は桃音ちゃんに伝えようとした。
「海で、ふたりでちょっと遠くに行くから、その時はそっとしておいてね! 結愛も陸くんとふたりきりになりたいでしょ?」
「桃音ちゃ……」
「よし! 頑張ろっと!」
桃音ちゃんが私の言葉をさえぎり、私は言い出せなかった。実は悠真と付き合っているんだってことを。
もしも桃音ちゃんが本当に悠真に気持ちを伝えた時、悠真はどんな反応をするんだろう。
桃音ちゃんの方が、可愛いし、明るいし……。魅力的だし。
内緒で付き合っているけれども、別れてってすぐに言われちゃうのかな?
そもそも、付き合うって何?
私たちは本当に付き合っているの?
心が、痛いよ――。
私から離れていって、桃音ちゃんの隣に行く悠真を想像するだけで、涙が出そうになる。
深呼吸して、吸い込む空気と一緒に涙も無理やり心の奥に押し込んだ。
「ねぇ、海、凄く綺麗だよね!」
桃音ちゃんが話しかけてくる。
「ねっ! 初めて海に来たけれど、来れて良かった!」
私は答える。
「こういう場所で、告白するのって、ロマンチックだよね! 私、海で悠真くんに告白してみようかな!」
「えっ?」
私は血の気が引き、水着の上に着るパーカーのチャックを途中まで上げた状態で動けなくなった。
「……」
あぁ、きちんと私たちのことを言わないと!
「あ、あのね!」
私は桃音ちゃんに伝えようとした。
「海で、ふたりでちょっと遠くに行くから、その時はそっとしておいてね! 結愛も陸くんとふたりきりになりたいでしょ?」
「桃音ちゃ……」
「よし! 頑張ろっと!」
桃音ちゃんが私の言葉をさえぎり、私は言い出せなかった。実は悠真と付き合っているんだってことを。
もしも桃音ちゃんが本当に悠真に気持ちを伝えた時、悠真はどんな反応をするんだろう。
桃音ちゃんの方が、可愛いし、明るいし……。魅力的だし。
内緒で付き合っているけれども、別れてってすぐに言われちゃうのかな?
そもそも、付き合うって何?
私たちは本当に付き合っているの?
心が、痛いよ――。
私から離れていって、桃音ちゃんの隣に行く悠真を想像するだけで、涙が出そうになる。
深呼吸して、吸い込む空気と一緒に涙も無理やり心の奥に押し込んだ。