すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
 見下ろせば永遠の海が見える感じの海沿いの道を歩く。

 三人から少し離れて、ゆっくり後ろを歩いた。だんだんと距離がひらく。

 悠真が一瞬後ろを向いて、動きがゆっくりになって、私は追いつく。

 この彼の動きを、私は予想していた。
 だけど今、急になんとなく確認というか、試したくなった。距離がひらいても、近くにいてくれるのかなって。

「ねぇ、悠真……」
「ん?」
「……なんでもない」

 悠真が私の顔を覗き込んで無言で見つめてきた。

 長い階段を下りると、水に触れるようになっている遊べる場所にたどり着く。

 急な階段だったから、滑って落ちたりしないように一段一段、丁寧に下りた。

 近くで見ると更に永遠に奥まで続いて見える海の世界。
 こんなに美しい世界を今日、初めて知った。

 悩みがなさそうな、海。
 絶え間なく押し寄せては消える波。

 私の悩みも、この消える波と一緒に消えていってほしい。呑み込まれてほしい。

 自分の胸にそっと手を当てて、黒い部分を想像で掴んだ。

 そして、それを波がきた瞬間、波の上に落とした。



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