すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
「とりあえず、結愛たちのところ、行こっか!」

 ふたり同時に立ち上がり、座った時に体についた砂をほろう。

 歩いていくと結愛たちの姿が見えてきたけれど、動けなくなり立ち止まった。

 なぜなら、ふたりが抱き合っていたから。

 最近の俺なら、邪魔してふたりを引き離していたんだろうけど。
 考えれば考えるほど、この今、目の前にある光景は本来あるべき光景で。結愛が幸せになる道で。

 自分にはもう、ふたりを邪魔することは出来なかった。

 俺は今まで、ただふたりの邪魔をしていただけ。知った未来の何かを変えたいと行動しても、結局は何も変えられない。未来はすでに決まっていたんだ。

「結愛と陸くん、抱き合ってるね」
「うん」
「なんか、あのふたり、好き同士っぽいよね」
「うん」
「悠真くん、もの凄く泣きそうな顔してる。大丈夫?」
「うん」

 返事はしたけれど、本当は、全然大丈夫ではなかった。



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