公爵の娘と墓守りの青年
「放してっ!」
リフィーアは男が怖くなり、声を上げながら足を思いきり振り上げた。
ちょうど男の手に当たり、掴んでいる力が緩んだ。
それを見逃さず、リフィーアは男の手から自分の手を引き剥がし、地面に足を着けてもう一度駆けようとした。
そこへ他の男達が追いつき、リフィーアを取り囲んだ。
「きゃっ!」
虚ろな目の男達に怯え、リフィーアは一歩、また一歩と後退しようとするが、後ろにも男がいることもあり、後退出来ずにいた。
何処か逃げられる場所がないかと辺りを見回した時、背後から手が伸び、リフィーアの首に手刀を当てる。
「うっ……!」
強烈な痛みを感じ、リフィーアは呻いて意識を手放し始める。
「リフィーアちゃんっ!」
地面に崩そうになったところを緊迫した声と共に誰かが上体を支えてくれたが、リフィーアは誰なのかを確認する前に完全に意識を手放してしまった。
リフィーアが怪しげな連中に襲われていた頃。
墓地の奥の奥、最奥でカイは眉を寄せていた。
「うーん……結界の綻びは何処にもないんだよなぁ」
顎に手を当て、じっと目を凝らし、カイは唸った。