公爵の娘と墓守りの青年
「正直だな。ああ、そうだ。封じる方法だが、色々な者達に知られないようにしておけ。出来ることならクウェール、ウィンベルクそれぞれの当主のみの方がいい」
「……へ? どうして?」
「封印を解こうと考える者が出るだろう。そして、場所まで知れれば今回と同じことが起きる」
「そっか。確かにそれは勘弁して欲しいなぁ。誤魔化す方法、相談しないとね」
「あとはお前達のことだ。お前達で考えろ。では、また会おう、カエティス」
現れた時と同じように不敵な笑みを残し、ラインディルはゆっくりと消えた。
ラインディルがいた場所を呆然と見つめた後、カエティスは考える顔になった。
「……あの、隊長、大丈夫ですか? 寝た方がいいのではないですか?」
真剣な表情のカエティスを見遣り、ミシェイルは小さく尋ねる。
「ん? 大丈夫だよ、ミシェイル。身体は頑丈になったみたいで平気。実はさっきの話で頭が混乱してて整理しないと、寝ようとしても眠れない気がする」
「俺もー……。カエティスならともかく、何でよりによって俺が神様の孫……。カエティスなら納得なのにー」