公爵の娘と墓守りの青年

「……カエティスにも、ミシェイルにも問い質さないといけないのだけれどね」

「だったら、あいつらに言うといいよ。カエティス、もう起きてるって話だからさ」

暗い笑みを浮かべるエマイユに、負けじと明るい笑顔を浮かべ、レグラスは出入口を指差す。

「カイさん、もう起きてるのですか?!」

驚いた声を上げ、リフィーアはレグラスを見上げる。

「……そう。じゃあ、二人のところに行こうか」

頷くレグラスを見て、重い歩調でエマイユは進んで行く。

「エマイユさん、待って下さい!」

リフィーア達も慌ててエマイユの後を追った。

「……王様、今の自分を忘れるくらい怒ってるなぁー。頑張れよ、カエティス、ミシェイルの生まれ変わり」

リフィーア達の後ろ姿を見つめ、レグラスはそっとこれから起こる嵐に巻き込まれる二人を応援する。
それからしばらく後に、ちゃっかり逃げたことがばれて、カエティス達に怒られるのは言うまでもない。



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