公爵の娘と墓守りの青年
即答で否定し、墓地の中央を指差し、カイは言った。
墓地の中央には、都や国はもちろん、子供の寝物語としても有名な伝説の守護騎士のカエティスが眠る、記念碑のような大きな墓がある。
国内の人々のほとんどは必ず一度はこの墓地を訪れ、カエティスに憧れる。
時々、夜にはカエティスの幽霊が出るかもしれないと、勘違いをしてやって来る者も現れる。
そして、カイを見た者は皆、こぞってカエティスではないかと言う。
そんな彼らに、カイは必ず言っていることがある。
それは……。
「もし、俺がカエティスだったとしたら歳がおかしいよ? カエティスは五百年くらい前の人だよ」
「はい。知ってます。でも、僕は貴方がカエティスの生まれ変わりではないかと思ったんです」
「……そう返して来ちゃったか……」
誰にも聞こえないような小さな声で、カイはぼそりと呟いた。
「え? 今、何か言いました?」
何を言ったのか聞こえなかった青年はカイに聞き返した。
墓地の中央には、都や国はもちろん、子供の寝物語としても有名な伝説の守護騎士のカエティスが眠る、記念碑のような大きな墓がある。
国内の人々のほとんどは必ず一度はこの墓地を訪れ、カエティスに憧れる。
時々、夜にはカエティスの幽霊が出るかもしれないと、勘違いをしてやって来る者も現れる。
そして、カイを見た者は皆、こぞってカエティスではないかと言う。
そんな彼らに、カイは必ず言っていることがある。
それは……。
「もし、俺がカエティスだったとしたら歳がおかしいよ? カエティスは五百年くらい前の人だよ」
「はい。知ってます。でも、僕は貴方がカエティスの生まれ変わりではないかと思ったんです」
「……そう返して来ちゃったか……」
誰にも聞こえないような小さな声で、カイはぼそりと呟いた。
「え? 今、何か言いました?」
何を言ったのか聞こえなかった青年はカイに聞き返した。