公爵の娘と墓守りの青年
「リフィーアちゃん……?」
目を何度も瞬かせて、カイはリフィーアを見る。
ウェルシールやエマイユ達も一斉にリフィーアに目を向けた。
「……私、ウィンベルク公爵を継ぎます。まだ公爵とか国とかよく分からないですが、私も国を……ウェル様を……守りたいです」
顔を真っ赤にして、語尾が段々弱くなりながらもリフィーアはウェルシール達に告げた。
「えっ……あ、あの、リフィさん……」
小さく聞こえたリフィーアの言葉に、ウェルシールも一気に顔を赤くした。
顔が赤いまま、ウェルシールは意を決したようにリフィーアに近付く。
緊張した面持ちでウェルシールは喉を鳴らす。
リフィーアはウェルシールの次の行動を見守るようにじっと緑色の目で見上げる。
「……リフィさん、僕も貴女を守りたいです。今回の負の集合体との戦いが終わってからも、ずっと……」
小さく微笑み、ウェルシールはゆっくりリフィーアの手を取り、握る。
「僕に、貴女をずっと守らせて下さいませんか?」
「……はい……!」
ウェルシールの告白に顔を赤くしながらも、リフィーアは頷き、嬉しそうに微笑んだ。