公爵の娘と墓守りの青年

様子を見守っていたカイ達はお互いに目を合わせ、笑みを零す。
安心したように微笑み、ネレヴェーユはカイに近付く。

「どうしたんだい、ネリー」

「……お似合いの二人だから、良かったって思って。幸せになって欲しいわ」

自分のことのように嬉しそうに微笑み、ネレヴェーユは恋人を見上げた。

「そうだね。その為にも今回で終わらせないと。ネリーもウェル君もリフィーアちゃんも皆、俺が守るよ」

カイもネレヴェーユに微笑み返し、腰に引っ掛けてある鴨頭草の剣の鞘を握る。
それに応えるように鴨頭草の剣から青いオーラがカイの手に触れる。
カイは笑みを消し、真面目な表情――墓守りから騎士の顔になる。
そして、ウェルシールとリフィーアに近付く。

「――ウェル君、リフィーアちゃん。今から、負の集合体の封印を解こうと思うのだけど、いいかな?」

「えっ?」

ウェルシールとリフィーアは驚いたように、カイを見た。



< 458 / 482 >

この作品をシェア

pagetop