公爵の娘と墓守りの青年

「ちょっと、カエティス! いきなりすぎない? リフィーアちゃんは白銀の鎮魂剣を持ってるから自分の身は守れるけど、ウェルシールはまだ指輪を――白金の守護の指輪を受け継いでないんだよ」

カイの発言に驚いたエマイユが慌てて彼を止めるように声を掛ける。

「……大丈夫。俺とウェル君がいれば、白金の守護の指輪を呼べるよ」

「待った! そんな機能は私は知らないよ」

「昔、ウェル君のお父さんとリゼル君と俺で追加してみたんだ」

「父上と?」

「お父さんと?!」

目を丸くしてウェルシールとリフィーアはカイを見た。

「うん。王が死んで、王子が王になる時、身の危険が起きても戴冠式をしていない時、俺がいる条件で指輪を呼ぶことが出来るようにしたんだ」

「……あの、それは、父上は死ぬことが分かっていてその機能を付けたということですか?」

カイの言葉にウェルシールは何かに気付き、そう尋ねた。
リフィーアも驚いたようにカイを見つめている。

「……そう、だよ。ウェル君とリフィーアちゃんのお父さん達は自分達が死ぬと分かっていてその機能を付けたんだよ。大切な君達を守る為にね」

力なく頷き、カイは眉を寄せて呟いた。



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