公爵の娘と墓守りの青年
「……どうして、俺なんかを君の臣下にしたいんだい?」
いきなり核心をついてしまったのか、カイの問いにウェルシールは黙った。
彼の眉間に皺が寄る。
「……まだ、民達にまでは及んでいないのですが、今、王都の城では大変なことになっているんです」
小さく息を吐き、ウェルシールはそう洩らした。
「……前国王、僕の父が急逝したことで貴族達の派閥が二分した状態が続いています。王子だった僕を支持する貴族達と父の重鎮だった者達。父の弟の息子――僕の従兄で強い権力を持つ貴族、トイウォースを支持する貴族達で二分しています。貴族達が二分し対立したことで、緩やかではありますが国の状況も悪い方向へ進んでいます」
緑色の少し大きな目を細め、ウェルシールは説明した。
「悪い方向って……?」
カイは眉を寄せ、ウェルシールに尋ねた。
墓守りであるため、この墓地から離れられないカイには、今、この王国で何が起きようとしているのかが分からない。
リフィーアもこのカエティスの都にずっと生活をしているため、王都での状況はもちろん分からない。
いきなり核心をついてしまったのか、カイの問いにウェルシールは黙った。
彼の眉間に皺が寄る。
「……まだ、民達にまでは及んでいないのですが、今、王都の城では大変なことになっているんです」
小さく息を吐き、ウェルシールはそう洩らした。
「……前国王、僕の父が急逝したことで貴族達の派閥が二分した状態が続いています。王子だった僕を支持する貴族達と父の重鎮だった者達。父の弟の息子――僕の従兄で強い権力を持つ貴族、トイウォースを支持する貴族達で二分しています。貴族達が二分し対立したことで、緩やかではありますが国の状況も悪い方向へ進んでいます」
緑色の少し大きな目を細め、ウェルシールは説明した。
「悪い方向って……?」
カイは眉を寄せ、ウェルシールに尋ねた。
墓守りであるため、この墓地から離れられないカイには、今、この王国で何が起きようとしているのかが分からない。
リフィーアもこのカエティスの都にずっと生活をしているため、王都での状況はもちろん分からない。