公爵の娘と墓守りの青年
「あ、あの……カイさん……?」
カイの透き通った水色の右目と、意志の強い鋼のような銀色の左目にぶつかり、ウェルシールは首を傾げた。
両目の色が違う、穏やかな整った顔、赤い髪をした墓守りの青年。
幼い頃からずっと憧れていた物語の伝説の守護騎士のカエティスが彼だと疑わないウェルシールは彼に見つめられ、今まで以上に緊張した。
その時、墓地の門の近くから声が聞こえた。
「ウェル様っ!」
「えっ、エルンスト?!」
聞き覚えのあるどころか、毎日聞いている声に驚き、ウェルシールは振り向いた。
「探しましたよ、ウェル様! まだ仕事がたくさんあるのに、何なさってるんですか!」
駆け寄ってくる黒目黒髪の青年――エルンストが声を張り上げた。
そのエルンストの横に、灰褐色の髪、黒目の青年がのんびりと近付いてにっこりとカイとリフィーアに微笑みかけた。
驚いたリフィーアは慌ててカイの後ろへ逃げ、隠れる。
「イストまでどうして……」
「そりゃあ、貴方を探しに来たに決まってるじゃないですか」
灰褐色の髪、黒目の青年――イストはにっこりとウェルシールに向けて笑う。
ウェルシールは二人が探しに来たことに、申し訳なさそうに眉を八の字にして俯いた。
カイの透き通った水色の右目と、意志の強い鋼のような銀色の左目にぶつかり、ウェルシールは首を傾げた。
両目の色が違う、穏やかな整った顔、赤い髪をした墓守りの青年。
幼い頃からずっと憧れていた物語の伝説の守護騎士のカエティスが彼だと疑わないウェルシールは彼に見つめられ、今まで以上に緊張した。
その時、墓地の門の近くから声が聞こえた。
「ウェル様っ!」
「えっ、エルンスト?!」
聞き覚えのあるどころか、毎日聞いている声に驚き、ウェルシールは振り向いた。
「探しましたよ、ウェル様! まだ仕事がたくさんあるのに、何なさってるんですか!」
駆け寄ってくる黒目黒髪の青年――エルンストが声を張り上げた。
そのエルンストの横に、灰褐色の髪、黒目の青年がのんびりと近付いてにっこりとカイとリフィーアに微笑みかけた。
驚いたリフィーアは慌ててカイの後ろへ逃げ、隠れる。
「イストまでどうして……」
「そりゃあ、貴方を探しに来たに決まってるじゃないですか」
灰褐色の髪、黒目の青年――イストはにっこりとウェルシールに向けて笑う。
ウェルシールは二人が探しに来たことに、申し訳なさそうに眉を八の字にして俯いた。