公爵の娘と墓守りの青年
「俺のことより、今日はどうしたのかな?」

「え? あっ、そうです! 私、カイさんに聞きたいことがあったんです」

「俺に聞きたいこと?」

首を傾げ、カイは問い返した。

「はい。どうして、ビアンさんは喋れるんですか?!」

リフィーアの質問にカイはぎこちない動きで、ひたすら黙って様子を見ていた相棒に顔を向けた。

「……ビアン、喋っちゃったのか? リフィーアちゃんに」

「……ああ。いずれはバレるんだ。なら、早い方がいいだろう?」

悪びれた様子もなく、ビアンは大きく頷いた。

「…………」

ビアンの言葉に、カイは大きな溜め息で返してやった。ついでに額に手を当て、空を見上げるような仕種で緩く首を左右に振る。

「あの、カイさん、質問の答えは……?」

話がなかなか進まないと感じたリフィーアがしびれを切らし、カイに尋ねた。

「ははは。ごめんね、リフィーアちゃん。どうして、彼が喋れるかだったよね?」

カイの問い掛けに、リフィーアは頷く。

「どうして、彼が喋れるかというと、まぁ、元々、人の姿をしていたんだ」
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